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循環器治療に新たな可能性 3Dマッピングで「治療すべき場所」をより正確に特定

    非典型AVNRTのカテーテル治療を検証、前田真吾医師らの研究が「JACC: Clinical Electrophysiology」に掲載

     突然、脈が速くなり、動悸や息苦しさなどを引き起こす不整脈となる。その一つに「房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)」がある。心臓の中で電気信号が一定の回路を繰り返し回ることで、突然に心拍数が上昇する病気で、治療には異常な電気信号の通り道をカテーテルで焼灼する「カテーテルアブレーション」が広く行われている。

     一方、AVNRTの中には、一般的なタイプとは電気信号の通り方が異なる「非典型AVNRT」が存在する。従来の方法では、治療すべき場所を正確に捉えることが難しいケースもあり、より詳細に不整脈の回路を把握する方法が求められてきた。

     こうした課題に対し、前田真吾医師(東京昭和医院 総院長)らの研究グループは、心臓内部の電気信号の広がりを立体的に可視化する三次元電気解剖学的マッピング(3Dマッピング)を活用し、非典型AVNRTの電気信号が心房へ出ていく「出口」を詳しく解析した。研究成果は2023年、循環器不整脈領域の専門誌「JACC: Clinical Electrophysiology」に掲載された。

     研究では、非典型AVNRTを認めた14例、計19種類の頻拍を解析。その結果、電気信号の出口には、冠静脈洞(CS)側に存在する「左下方進展(LIE)」だけでなく、三尖弁輪側に存在する「右下方進展(RIE)」があることが確認された。さらに、一人の患者に左右両方の出口が存在するケースも明らかになった。

     特に注目されるのがRIEの存在だ。研究では、これまで臨床上十分に認識されていなかったRIEが、約半数の症例で不整脈の回路に関与していた。従来の限られた場所だけを調べる方法では見逃される可能性があるが、3Dマッピングによって調べる範囲を広げることで、治療標的となる場所をより正確に把握できる可能性が示された。

     実際に、こうして特定した出口などを標的に治療した結果、14例中13例(93%)でAVNRTの治療に成功し、研究中に合併症は認められなかった。

     今回の研究が示したのは、「一般的に治療する場所」を一律に焼灼するだけではなく、患者ごとに不整脈の電気回路を3Dで“見える化”し、実際に異常な電気信号が通っている場所を探して治療するという考え方である。

     研究グループは、従来の局所的な電気信号を中心とした治療から、冠静脈洞や三尖弁輪を広く3Dマッピングし、LIE・RIEという出口を直接探して治療する方法への転換を「パラダイムシフト」と位置づけている。

     今後、より多くの患者を対象とした研究や長期的な経過観察が必要とされるものの、本研究は、複雑な非典型AVNRTに対して、患者一人ひとりの不整脈回路に応じたより精密で選択的なカテーテル治療につながる可能性を示した研究として注目される。

     

    東京昭和医院について

    東京昭和医院は、東京都港区麻布十番に所在する医療機関である。内科、循環器内科、皮膚科などの保険診療に加え、予防医療、再生医療、健康診断などを提供している。

    名称:東京昭和医院

    所在地:〒106-0045 東京都港区麻布十番三丁目1番6号

    総院長:前田 真吾

    診療科:内科、循環器内科、皮膚科

    アクセス:東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番駅」1番出口より徒歩約3分

    電話:03-6811-5618

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